なぜハイエースは廃車でも高く売れるのか?

この写真のハイエース。年式は平成18年(9年落ち)走行距離はなんと35万キロで、見てのとおりの事故車現状車です。実際に弊社が先日買取をした車です。自走は可能でしたが、フロントガラスは割れ、ダッシュボードまで歪んでいた正真正銘の事故車です。

 さて、あなたがもしこの車のオーナーなら、いくらぐらいで売れると思いますか

  ちなみにもし、これがハイエースではなく、別のバンなら・・・・まず、値段はつかないでしょう。引き取り料を請求される可能性の方が高いです。

https---www.pakutaso.com-assets_c-2015-04-PAK75_gyoe-20141221140222-thumb-1000xauto-12511 正解は25万円です。

嘘だろう? と思われるかもしれませんが。正真正銘の値段です。

 

「はっ??こんなん一体だれが買うの?」って思いません?

さ~これこそが本日のテーマです。ハイエースの事故車、過走行、超低年式のハイエースオーナーにも是非読んでほしい記事です。

 

廃車されたハイエースの行方

 そもそも廃車ってどういう意味でしょうか?僕はもともと廃車=スクラップ(鉄くず)っていう意味だと思っていました。

 実は廃車の本来の意味は ”登録を抹消した車” っていう意味だということをこの仕事を始めて知りました。

事故車はもちろん、10年以上または10万キロ以上走った車のほとんどは、

もう日本国内の中古車としては売れなくなってしまいます。だから、こういう車はほとんど廃車となってしまうんです。

 でも、廃車となった車のすべてが鉄として処分されているかというと違うんです。

 

廃車された車の7割方の車は、実はそのままの形で今もどこかで走り続けています。

 そうなんです。ほとんどの廃車は海外にそのまま輸出されているんですね。

Toyota_Bateau

そんな輸出される車の中でも、ハイエースの海外での人気は異常です。仮に今回の車のように30万キロ走った車でも、そこからさらに50万キロ、100万キロあたり前のように走ります。

 ハイエースが壊れにくい頑丈な車であることは、オーナーであるあなたが一番良く分かっていると思います。日本のように、車検制度が厳しく、古い車に対する税金が高く、新車が安い国においては、わざわざ古くなった車に我慢して乗り続ける必要はなく、新しい車にどんどん乗り替えるのが当たり前です。

 でも、海外の人たちは、エンジンか、トランスミッションが完全にダメになるまでは乗り続けます。

なぜハイエースは海外で異常な人気を誇り続けているのか?

 Traffic-jam-Kampala-Uganda海外でのハイエース信仰は異常です。左の写真はウガンダの首都カンパラのタクシー乗り場の写真です。

 見渡す限りに見える白い車。

これすべてハイエースバンなのです。ちょっとみてるだけで車酔いしそう・・・おえっ

 「ハイエース アフリカ」っていうキーワードで画像検索したら、もっとすごいの出てきますよ。

この中に、キャラバンとかボンゴとかは一台もありません。日本人の我々からすると異常な光景です。キャラバンとかボンゴは同じ年式・走行距離なら、ハイエースに比べ彼らにとっては格安です。

 それでもなんでここまで、ハイエースにこだわるのでしょうか?

 

50万キロ走る車と100万キロ走る車、あなたならどっちを選ぶ?

日本人のあなたなら、「どっちでもいいけど、安い方」とか「かっこいい方」となるでしょう。

 なぜなら、トラックでもない限り、50万キロも日本国内で走る乗用車はまずありませんもんね。

 

しかし、海外の人の感覚は全く違います。

 彼らの感覚では、最も大切なことは、「どれだけ長く乗り続けられるか」なんで、単純に考えて、耐久性が2倍なら、価値も2倍ということになります。

海外ではキャラバンでなくて絶対的にハイエース

 日本ではハイエースの競合車といえばキャラバンです。ハイエースを買うとき迷ったりしませんでしたか?

でも、海外では絶対的にハイエースが人気です。ハイエースの方が値段も圧倒的に高いのですが、それでもハイエースしか選ばれません。

 なぜなら、乗りつぶすまで、海外の人たちは自分達で日々耐久テストをしているからなのです。

乗りつぶした結果。キャラバンは50万キロでつぶれ、ハイエースは100万キロまで長持ちした。という経験を身を持って体験しているわけなんです。 

 だから、仮に同じようなコンディションのキャラバンとハイエースが、30万円と50万円で売っていたとしても、間違いなく、彼らは50万円のハイエースを選ぶんですね。

廃車のハイエースがエチオピアで300万円で売られている現状

先日、青年海外協力隊時代に知り合った仲間(日本人)と久しぶりに連絡がありました。ちなみに彼はアフリカを転々としていて、現在はエチオピアにいるという友人です。

友人
山本くんって、中古車の輸出やってるんだよね?
やってますよ!
 

友人
実は今エチオピアにいてさ~、レンタカー事業をやろうと思って、ハイエースこっちで一台買ったんだよね。で、もう一台追加しようとおもってるんだけど、こっち(エチオピア)で買うとなんせ滅茶苦茶高いんだよね~。だから山本くんに一台輸出してもらえないかな~と思ってさ~
エチオピアは左ハンドル限定の輸入規制があるんですよ。だから日本から直接輸出するのは結構難しいんですよ。
ちなみにどんなハイエースを、いくらで買ったんですか??
 

友人
日本だったら廃車にするようなボッロボロのハイエースだけど、300万円もしたんだよ。
さっさんびゃくまん!?っすか?ボロボロってどの程度?
友人
年式は2007年だけど、走行距離は30万km超えてるね。左ハンドルのマニュアル車で、こっちの車屋さんは「ドバイから輸入した」って言ってたよ。もともとは日本から来たみたいだけどね。
そうなんですよ、左ハンドルの輸入規制のある国には、日本からドバイに輸出されて、そこでハンドルを右から左に変えて、その国に再輸出されるんですよ。
それにしても30万キロ走った車が300万円とは・・・現地でそんな高い値段まで吊り上がっているとは・・・

 ちなみに友人が希望する車の条件はこんな感じ・・・

  • 年式は2007年前後
  • 走行距離は問わない(40万キロでも50万キロでもOK)
  • マニュアル(オートマは不可)
  • ディーゼル
  • ハイルーフ
  • 日本で使用されていたもの
  • 左ハンドルに変換したもの 

 早速日本から直接輸出したらどれくらいかかるのかシュミレーションしました。

 まず、友人が希望するようなハイエースをオークションで仕入れ、左ハンドル工事をした時点で、原価ですでに110万円を超えてしまいました。やっぱハイエースはたけ~、しかもハンドル工事費用もたけ~ (ハイエースの弊社における買取価格はこちらで確認できます)

 その後、船会社に連絡をとり船賃をしらべたり、ハンドルを右から左に変えてくれる業者に問いあわせをしたりしてみた結果・・・

 船会社からの返答は・・・

ハイエースのハイルーフだと40フィート(長めのコンテナ)でも2台しか積めない。そして、コンテナ一本の輸送料がエチオピアの最寄り港であるヂプチまでで、5000ドル。

 一台あたりに直すと、2500ドル≒30万円程度 この時点でトータル140万円か・・・雲行き怪しくなってきた。

 そして、輸出の恐ろしいところは、ここからさらに関税がかかってしまうんです。この友人の話では、エチオピアの中古車の輸入関税はちょうど100%という事なので、これまでの経費にうちの利益を足した金額が2倍されることになります。

 もし、うちが10万円でも利益をつけるとその時点で (140万円+10万円)×2=300万円 となります。

しかも、細かいことを言えば、ヂプチでの、通関代行業者や、ヂプチからエチオピアの輸送費などは含まれていません。

 たしかに、これじゃ~だれも日本から輸出しないわけだ。チッキショー

さて本題はそこじゃない!そんなに高いのになぜ日本車??なぜハイエース??

 そもそも、エチオピアってそんな金持ちの国なの?

300万円で売られててだれか買う人いるん??

でも日本から持って行ったハイエース(走行30万kmオーバー)は、ドバイ経由でも、日本から直接輸出しても、やっぱり300万円はしてしまう。

 それでも、現地でその値段で買う人がいるから、実際に車が海を渡って、運ばれているんですよね。

僕も、輸出をやっていると、エチオピアからの問い合わせは実際、過去にも何件かありました。

 彼らは口を揃えて

日本で使われていた、日本車が必要なんだ!

 と訴えていました。

なぜ日本車にこだわるのか?

 あなたは、外車に長く乗ったことはありますか?

外車ならベンツでもBMWでもワーゲンでもなんでもいいです。

恐らく、10万km走行するまでに、「それほど修理費がかからなかった」という外車はまずなかったはずです。

 たまに、日本国内のお客さんから、「中古の外車を探してほしい」と頼まれ、中古車オークションのデータを見る機会があります。

 しかし、5万キロを超えた外車のほとんどは、何かしらのトラブルを抱えており、再販する前に大きな修理を要することがほとんどです。

 中古車業者さんの集まりでも

「外車は怖いから、最低50万円ぐらいは利益がないと売りたくない」

と皆口を揃えていいます。お客さんに売ったとたん、とんでもないトラブルが発生して、保証などで何十万円もかけて直さないといけないハメになることも日常茶飯事だからです。

 日本人が車を乗り替えるタイミングは異常に早いです。新車から10万kmはしれば、もう廃車扱い。

だから、走行5万km以上の外車が、故障しても「たまたま俺の運が悪いだけかな?」程度にしか考えません。

 でも、30万kmも50万kmも車を修理しながら本当につぶれるまで乗りつぶす海外の人にとっては、壊れやすい車か壊れにくい車の違いは一目瞭然です。

 だから、彼らは日本車にこだわるんでしょうね。

そして、その日本車の中でも、ハイエースのバンはケタ違いの人気っぷりです。

 彼らの中には「ハイエースなら100万kmは走ってくれる」という確固たる信頼がある。

だから、たとえ30万kmをすでに走行しているハイエースでも、「あと70km走るから、まだまだ新車に近い状態」というプラス思考ができる。ってことでしょうね。

 エチオピアでレンタカー事業を始めようとしている友人の話によれば、エチオピアではどんなに古いハイエースでも、一日あたり 100ドル=1万2000円 で貸し出されているそうです。

 しかも、稼働率は100%に近く、1年あれば、300万円の元手もほとんど、取り戻せるという事なのです。

となれば、1年中目いっぱい走っても、めったに壊れない車。

 というわけで、その友人は現地の車屋さんにハイエースを薦められたそうです。

元々左ハンドルの日本車はダメなの?「ユーズドインジャパン」というブランド力

 例えば、アメリカでは、左ハンドル日本車がたくさん走っています。

アメリカのような国から、元々左ハンドルの車を輸入すれば、もっと安くなるんじゃないの?

 と思うかもしれません。ハンドル変換の工事が必要ないので、確かに経費はかなり抑えられます。

しかし、海外のバイヤーは「日本で使用されていた日本車」にこだわります。

 なぜなら、日本には世界で最も厳しいと言われている「車検制度」があるからです。

だから、同車種、同じ年式、同じ走行距離でも、日本で使用されているものと、海外で使用されたものでは、コンディションが比べものになりません。そのため、ハンドル工事の経費を差し引きしても、日本から来た車にこだわるのです。

 海外では「メイドインジャパン」もさることながら、「ユーズドインジャパン」も強いブランドなのです。

ひと昔まえの話しですが、車の貿易業界の都市伝説では、

日本語のカンバンが消えていない車の方が、値段が高くなる

という話もあったほどです。(今はあってもなくても、同じです。できれば無い方がいいです。)

 日本語カンバンは「ユーズドインジャパン」の証明になるからですね。

おかしいのはむしろ日本人の感覚かもしれない・・・

 日本は言わずとしれた技術大国です。その代表選手が車でしょう。

僕が青年海外協力隊で派遣されていた、ドミニカ共和国では、結構な割合の人が、日本を中国の一部だと思っていました。

 日本人と言えば?と質問すると3割ぐらいの人は

「ジャッキーチェン!!」

 と元気よく答えていました。

そんな国でも、走っている車を見ると8割方が日本車

 しかも、ほとんどが地球の裏側の日本から船に乗って、運ばれてきた日本の中古車でした。

日本では、10年とか10万kmも走ったら、「廃車」と呼ばれたりします。

 次々に新車が開発され、モデルチェンジしていて、古い型の車に乗っていると「恥ずかしい」という感覚さえ持ってしまいます。

だから、海外の人からすれば、よだれが出るぐらい欲しい車が、スクラップにされたり、タダ同然で売られていたりするわけです。

 この異常な状況を一番よく理解しているのはやはり、海外の人々です。

あなたが、車を手放す際は、是非ともこの記事を思い出してほしいです。

 あなたが廃車と思っている車はもしかすると、まだまだ海外の人が必要としているかもしれません。

海外に強い車の一覧はこちらで確認できます。

 

事故現状のハイエースでも高く売れる理由

 では、話題を戻します。今回の冒頭のような事故をしたハイエースでも高く売れる理由は何なのでしょうか?

やはり、その理由も海外の需要が原因なのです。

ハイエースはマグロ??

 いくらハイエースといえども、10万キロを超えると少なからず故障はしてきます。ましてや、海外の人々のように悪路を何十万キロも走っていたら、あちらこちらがしょっちゅう故障することになります。

 しかしながら、海外では自国でパーツを生産していませんので、これもまた、日本から中古のパーツを輸入するしかありません。

 日本でもハイエースは人気車なので、走るハイエースはその供給量は十分あります。しかし、スクラップにして解体する人は少なく、結果的に海外ではパーツが深刻な供給不足に陥っています。

 そのため、例えどんな酷い事故車であっても、車自体は何万ものパーツからできているわけですから、使えるパーツはいくらでもあります。その結果、事故車であっても、異常なほど高い金額取引されるてしまうのはごく当然の事なのです。

 「マグロは捨てるところがない」と言われますが、ハイエースも同じように頭から尻尾まで捨てるところがない車なんですね。

廃車のハイエースの最低買取価格表

これは(弊社における)自走可能なハイエースの最低買取価格表です。  

  自走可能な場合 自走不可の場合
200系ハイエースバン 26万円 18万円
100系ハイエースバン 12万円 6万円
200系ハイエースワゴン 26万円 18万円
100系ハイエースワゴン 5万円 2万円

※買取は全国可能ですが、北海道・沖縄・離島については、陸送費用の関係でこの基準を下回る場合もあります。

ここの基準はあくまで最低基準なので、グレード・型式・走行距離により自己現状車であっても、もう少し値段が高くなることもあります。

 また、自走不可車両については、タイヤが回る状態であるか否かでも少し値段が変わります。弊社の他の車の買取事例(買取価格)についても公開しておりますので、輸出業者のハイエース買取相場も是非参考にしてください。

上記の表はあくまで輸出業者である弊社の買取基準となっていますので、一般のディーラーや買取店ではこのような金額はなかなかつきません。一般の相場についてはハイエースの一般下取り・買取相場の記事を御覧ください。

また最近ではよく、ガソリンスタンドなどで、「廃車1万円で買取ます」という看板を見かけるようになりましたが、

間違えても、ハイエースをそういうところで売ってしまわぬよう参考にしていただければと思います。

以上で「なぜハイエースは廃車でも高く売れるのか」の記事は終了です。

今乗っているハイエースを廃車したり、下取りに出そうとしていませんか?

ハイエースは特別な車です。
なぜなら海外で最も人気のある車だからです。
そんなハイエースを廃車したり、下取りに出すと大損する事になります。
あなたがもし、ハイエースの廃車や下取りを検討しているならこの記事を一度読んでみてください。

あなたが下取りに出そうとしている車は下記に該当しませんか?

  • 2000cc以下のトヨタ車全般
  • 古めのトヨタのワンボックス
  • オフロード系の四駆
  • ハイエースバン、その他マニュアルの商用系バン
  • 古い2トン以下の平ボディーのトラック、ダンプ
  • マイクロバス
  • 古めのスポーツカー(マニュアルのもの)
  • 左ハンドルの車
  • 2000ccクラスのベンツ、BMW(セダン)

実は、下取りで引き取られる上記のような車の多くは、転売、転売を経て、最終的に中古車として海外へ輸出されています。

 このように輸出される車は、国内お中古車としては、需要がほとんどない上に、輸出業者にわたるまでの転売手数料ががさむため、一般の下取り(買取)ではほとんど値段がつかないケースや場合によっては、処分料を請求されるケースも多いです。

 弊社、車両輸出代行センターは、そのような輸出用の車を専門に直接買取、直接輸出をしている中古車輸出業です。

 上記のような車両の下取り、買取をご検討されている方は、下記ボタンより、

海外人気車種の一覧

 をご確認の上、メールによる概算査定(電話番号は任意です)のお問合せいただければ幸いです。

 

ABOUTこの記事をかいた人

山本 剛

略歴:青年海外協力隊員(ドミニカ共和国)を経て、大阪府の高校教諭(数学)になる。7年間教師を務める。その後一念発起し、教師を退職。そして現在の「輸出用の車買取専門店 車両輸出代行センター」を立ち上げ、現在にいたる。日本の車を必要としている主に途上国の人々に届けるため、日々このブログを更新している。