それにしても日本政府の打ち出す施策をなぜこうも分かりにくいのでしょうか??
そのわかりにくい施策の最高峰ともいえる位置に君臨し続けるのが、
この「エコカー減税」「グリーン化特例」ではないでしょうか??
「エコカー減税」「グリーン化特例」でググって、2・3個記事を読んだが、さっぱり分からない。
これは、いわゆる政府による
「専門家(車屋さん)に聞いてちょうだい。そして、車買わされちゃってちょうだい。そしたら僕たちの税収が増えちゃったりなんかしちゃったりして・・・」
ってやつなんでしょうね。
国土交通省のHP見ても、素人にはさっぱりです。
というわけで、今回、この難解なエコカー減税+グリーン化特例を徹底的にしらべ、声を大にして!・・・できる限りわかりやすく
解説してみたいと思います!
目次
1.エコカー減税とグリーン化特例には準備説明が必要です。
ややこしい、このエコカー減税グリーン化特例ですが、
これを理解するには、事前の準備が非常に重要です。
逆に準備さえしっかりしていれば、非常に簡単なので、しっかり準備を整えましょう!
準備① まずは「どの税金が減税されるのか??」を知ろう!
減税と言われても、車には沢山の種類の税金がありますね。
エコカー減税+グリーン化特例で、減税される税金は具体的にどんな税金でしょうか?3種類あります。
- 自動車取得税
- 重量税
- 自動車税
それぞれについて、簡単に説明しておきます。
自動車取得税とは
新車の場合は、購入時の諸費用にまぎれて、(知らない間に??)取られている税金です。
中古車の場合も、名義変更の登録時の際に徴収される場合があります。
自動車取得税とは、売買などで自動車を取得した取得者に対して課税される税金のことです。 税率は、新車で購入した場合と中古車で購入した場合で異なり、また中古車の中でも、新しい年式の場合と経過年数が経っている場合で異なります。 自動車取得税の課税対象車両は、自動車と軽自動車です。
参照元:https://annai-center.com/documents/syutokuzei.php
重量税とは
車検の時に、どさくさにまぎれて徴収されるやつですね。新車の場合は、諸費用の中できっちり取られているはずです。
- 自動車の新規登録と車検の際に車検証の有効期間分をまとめて支払う。
- 自家用乗用車の場合は車両の重さによって税額が変わる。
軽自動車は車両の重さに関わらず定額。参照元:http://www.sonysonpo.co.jp/auto/guide/agde092.html
自動車税とは
車検とは別に、毎年5月頃になると、請求が来る不幸の手紙みたいな例のやつですよ。
わかりますかね??
自動車税は「車検税」ではなく、車検を受ける受けないにかかわらず納税義務が生じる。 … 信販会社との契約に基づくローンにより売買された自動車の場合、債権担保の目的から所有権が売主に留保される(自動車検査証上の所有者はローン会社となる)ことが一般的だが、割賦販売の場合には買主が所有者とみなされ自動車税を納付することとなる。
参照元:https://ja.wikipedia.org/wiki/自動車税
エコカー減税とグリーン化特例で、これらの税金が減税されます!
ただし、注意しないといけないのは、毎年安くなるわけじゃないですよ!!
なんか、減税というと、毎年安くなるようですが、そこまでの特典はありませんからね。
基本的に1回こっきり(一部は2回目まで減税あります)の減税ですよ。
準備② エコカー減税とグリーン化特例ってどうして分かれてるの??
【エコカー減税】とは・・・自動車取得税と重量税の減税のルール
【グリーン化特例】とは・・・自動車税の減税のルール
という風に別れちゃってます。 全部まとめて「エコカー減税」でええやん・・・何のために分けたん???謎ですね。この時点で、一般の人をかく乱する意図を感じますね。
準備③ これが重要!!あなたの狙っている車はどの「カテゴリー」の車か?
エコカー減税とグリーン化特例が特にややこしいのは、これなんです。
ようするに、「エコのレベルによって、減税率が変わる!!」って事なんです。
これさえ、最初に分けておけば、めっちゃわかりやすくなります。
では、その”エコのレベル”ですが、この記事では大きく二つに分けて、勝手に名前を付けました。
- 「ビッグ減税車」・・・エコレベルが高く、ビッグな特典満載の車
- 「スモール減税車」・・・エコレベルはそこそこで、ビッグ減税車に比べて、ちょっとスモールな特典のある車
という二種類です。
エコカー減税とグリーン化特例の減税額を知りたい場合は、まずは自分の車が、このどちらの対象になるかを把握すれば、非常にシンプルになりますよ。
では、ビッグ減税車、スモール減税車がそれぞれどんな条件なのか?説明していきますね。
ビッグ減税車とは??
- 電気自動車(例:日産リーフ、米テスラ社製の車等)
- 燃料電池自動車(例:トヨタ MIRAI等)
- 天然ガス自動車(平成21年排ガス規制Nox 10%低減または平成30年排ガス規制適合)
- プラグインハイブリッド自動車(例:トヨタ プリウスPHV、三菱 アウトランダーPHV)
- クリーンディーゼル乗用車(平成21年排ガス規制Nox 10%低減または平成30年排ガス規制適合)(例:マツダ デミオ、CX-3/5/8等)
- 平成32年度燃費基準+50%達成車(例:トヨタのハイブリッド全車、ホンダ アコード、シャトルハイブリッド2wd、ステップワゴンハイブリッド、フィットハイブリッド、フリードハイブリッド、グレイス2wd等)
どうでしょうか???
もし、これらのカテゴリーに入っていたら、朗報ですよ!!
ビッグな減税が待っています。
スモール減税車とは??
もし、あなたの車がビッグ減税車じゃなかったとしても、
諦めてはいけませんよ。
- 平成17年排ガス規制75%低減
- 平成30年排ガス規制50%低減
のどちらかをクリアしていれば、それは”スモール減税車”です。
分かりやすくは、こんなシールが車体に貼っていればOKになります。↓

目印はこれ ★★★★ 星4つ です!! これがスモール減税対象車です。
注意!!) という事は ★が3つ以下の場合は現在のエコカー減税が適応されません!!!(昔のエコカー減税対象車ですね)
2.ではまず【エコカー減税】について
それでは、エコカー減税について、説明について説明していきますよ!
まずは、下記表をチラ見してください。チラ見ですよ!!
真剣に読むと頭が痛くなると思うので、チラ見で結構です。

出典:国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/001084656.pdf
どうでしょうか??
なにがなんだかわかりませんよね???
でも、大丈夫、すでに事前準備の済んでいるあなたなら、
簡単です。では、具体的に説明していきますよ。
1.まずはあなたの車がどのカテゴリーに入るかを判断しましょう。
上の準備③で、あなたの車が”ビッグ減税車”か”スモール減税車”をすでに確認済みですよね??
それぞれについて説明しますね。
”ビッグ減税車”のエコカー減税とは?
あなたの車がビッグ減税車の場合
その特典は、下記のものになります。
- 自動車取得税・・・無料!!(非課税)
- 初回と二回目※1の重量税・・・・無料!!(免税)
※1 初回(新車時の)車検の満了日の15日以内に車検証の交付を受けないと適応されません!!車検の継続は忘れずに♪
ビッグですね!!自動車取得税が無料で、なおかつ重量税は2回目までW無料という大判ぶるまいです!!
これって額にするとどれ位の減税なのでしょうか?
例 | 自動車取得税 | 自動車重量税(2回分) | 合計お得金額 |
アルファード Hybrid G | 約125,000円 | 約37,500円×2回=75,000円 | 約200,000円 |
ヴォクシー Hybriid X | 約75,000円 | 約30,000円×2回=60,000円 | 約135,000円 |
カローラアクシオ Hybrid | 約52000円 | 約22500円×2回=45,000円 | 約97,000円 |
車の大きさや、本体の金額にもよりますが、
エコカー減税だけで、これだけお得!!
さらにグリーン化特例分もプラスされますよ~(グリーン化特例については後ほど!)
”スモール減税車”のエコカー減税とは?
もし、上記のビッグ減税車でなくても、まだあきらめてはいけません!
”スモール減税車” は、燃費基準により細かく減税率が分かれていますので、表にまとめました。

まずは、↑スモール減税車にはこんな感じのシールが貼っています。
これで何年の何%燃費基準達成車か確認してくださいね。
これがわかったら、下の表をみて下さい。これがスモール減税車のエコカー減税です!
平成27年度燃費基準 | 平成32年度燃費基準 | |||||||
達成 | +5% | +10% | 達成 | +10% | +20% | +30% | +40% | |
自動車取得税 | 無し | 無し | 無し | 20%減税 | 40%減税 | 60%減税 | 80%減税 | 非課税(無料!) |
重量税(新車時) | 無し | 無し | ※2本則税率 | 25%減税 | 50%減税 | 75%減税 | 75%減税 | 免税(無料!) |
32年の燃費基準達成車は、なかなかの減税率です!!
しか~し!残念ながら、27年燃費基準達成車は、ほとんど減税ありません!期待させてすんまそん!
※2については↓こう書かれております。
※2 ハイブリッド自動車及び軽自動車を除く自動車が新車新規検査を受検するときに限り、当分の間税率でなく本則税率が適用となる。
出典:国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/001084656.pdf
本当に申し訳ないのですが、※2のこの文章だけは、どうしても意味が分からず、分解できませんでした!!
(あくまで推測)27年度燃費基準の+10%達成車の内、ハイブリッド車と軽自動車は(当分の間?)、ある一定の減税?(税率不明)があり、それ以外の車は減税が無いという意味だと思います。
でも肝心の減税率はどこにも書いていません!!なんじゃこりゃ
じゃあ【グリーン化特例】いってみようか・・・
さあ、お次はグリーン化特例ですが、
こちらの対象となる税金は、自動車税です。
車を所有していると、毎年、5月ぐらいになると、送られてくる不幸の手紙みたいな、例のやつです。
では、グリーン化特例にあてはまる車は、どんな車種で、どんな減税があるのでしょうか??解説していきましょう。
まずは、これまた、
チラッとだけ、下の表をチラ見してください。

出典:国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/001084664.pdf
エコカー減税の表よりは、若干マシですが、
それでも十分わかりにくいですね。
では、解説していきましょう。
グリーン化特例(乗用車の場合)の対象車
エコカー減税の時にグループ分けした、”ビッグ減税車”、”スモール減税車”の分け方がそのまま使えます。忘れた人は、最初の方の説明を読み返してくださいね。
ビッグ減税車のグリーン化特例
「新車登録の翌年度分の自動車税が 約75% 減税されます!」 以上
なかなかシンプルですね。
ポイントは、新車登録をした、翌年度分という所ですね。
その年に減税してしまうと、年度の途中の登録だと、丸々一年分の減税が受けられないからでしょうな。
あと、あくまで新車登録なので、中古車には適応されないという所でしょうかね。
自動車税一年分の75%の減税されるので、結構な額になりますよね。 いくつか例を挙げてみますね。
グリーン化特例減税額 | |
アルファードハイブリッド | 約33,500円 |
カローラアクシオハイブリッド | 約25,500円 |
プリウス | 約29,500円 |
結局、ビッグ減税車なんかであれば、まったく減税の無い車に比べ、エコカー減税、グリーン化特例合わせると、
約12万円から約24万円ぐらいまでの減税があるという事ですね~、こりゃーなかなか大きな割引じゃないでしょうか!
スモール減税車のグリーン化特例とは?
スモール減税車の場合、次の表をみてみましょう。
平成27年度燃費基準 | 平成32年度燃費基準 | |||||||
達成 | +10% | +20% | +30% | +40% | ||||
減税率 | 無し | 無し | 約50%減税 | 約50%減税 | 約75%減税 | 約75%減税 |
ポイントは、平成27年度燃費基準は、グリーン化特例においては”意味なし”という点でしょうか?
平成32年度も達成しただけでは無意味です。ちょっときびしくなっちゃってますな~。
(念のため)バス・トラックなどの重量車のグリーン化特例の対象車
”ビッグ減税車”の中でも、
- 電気自動車
- 燃料電池自動車
- 天然ガス自動車(平成21年排ガス規制NOx10%以上低減または平成30年排ガス規制適合)
- プラグインハイブリッド自動車
のみが減税されます。
減税率は 約75% となります。
中古車のエコカー減税、グリーン化特例について
ここまでの説明は、ほぼ新車登録を行う事を前提に説明してきました。
では、中古車の場合、これらの減税・特例は適応されるのでしょうか??
まず、中古車の場合、グリーン化特例は適応されません!!
つまり自動車税については、まったく減税はありません。
ではエコカー減税はどうなのか??
具体的には、
- 自動車取得税・・・新車ほどではないが、多少の減税があります
- 重量税・・・”ビッグ減税車”の2回目の車検時の重量税のみ適応されます。
ではそれぞれについて、確認していきます。
中古車のエコカー減税「自動車取得税の減税」について
まずは、毎度毎度分かりにくいですが、国土交通初のHPの表です。もちろんチラ見で結構ですよ。

出典:国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/001084663.pdf
ここでも、”ビッグ減税車”と”スモール減税車”に分けて解説しますね。
ビッグ減税車の場合
取得価額から45万円の控除になります!
スモール減税車の場合
平成27年度燃費基準 | 平成32年度燃費基準 | |||||||
達成 | +10% | +20% | +30% | +40% | ||||
減税率 | 無し |
取得価額から 5万円控除 |
取得価額から 15万円控除 |
取得価額から 25万円控除 |
取得価額から 35万円控除 |
取得価額から 45万円控除 |
「は??だから・・?取得価額ってなんやねん??」 って聞こえてきました(汗)
説明しますね。
取得価額 とは
(取得価額)=(新車の税抜きの希望販売価格)× 0.9 ×(残価率)
で計算できるものです。
自動車取得税の計算のもととなる金額です。
それぞれの意味はこちらです。
- (新車の税抜きの希望販売価格)・・・メーカー小売り希望価格(税抜き)と考えていいでしょう
- 0.9 ・・・ 決まっている係数です。どんな車でも同じ数字です。
- (残価率) ・・・ 総務省が定めています。参照:総務省http://www.soumu.go.jp/main_content/000066978.pdf
- (控除額) ・・・ 今回のエコカー減税の控除額が入ります。
では、実際中古車のエコカー減税適応時の自動車取得税の計算式は以下のようになります。
(自動車取得税)= (取得価額 - エコカー減税の控除額)× 0.03
※ただし、(取得価額 - エコカー減税の控除額 )が50万円以下の場合、税金は免除となります。
では、一つ例を挙げて計算してみますね。
(例:アルファードハイブリッドX 4WDの場合)
(取得価額)= (新車の希望販売価格:約408万円)×0.9 × (残価率:0.316)= 約116万円
(自動車取得税)= {(取得価額:約116万円)ー (エコカー減税控除額:45万円)}× 0.03 = 約 21,300 円
ややこしくなってしまいましたが、
ようするに、エコカー減税で
45万円 × 0.03 = 13,500円
得をしたという事です。
「じゃあ最初から”取得価額45万円控除”じゃなくて、13500円減税って言えよ!!」
と言いたいところですが、ちょとまってちょうだい!
取得価額ーエコカー減税控除額45万円 が 50万円以下になったら、免税 なんですよ。
これがデカいですよね。
この45万円の控除のおかげで、かなり多くの割合で中古車の取得税は免除になる可能性があります!!
まとめ
今回のエコカー減税、グリーン化特例の有効期限は、基本的に平成31年3月31日までとなります。(重量税のみ、31年4月30日まで有効)
それ以降は、また減税が変わるのか?あるいは、無くなる可能性もありますね。
エコカーの新車購入を検討している人は、その辺りの事は良く見据えて、検討した方がよさそうですね。
以上で、エコカー減税・グリーン化特例の記事は終了です。