「ウンコちゃんの家具屋さん」に学ぶ”神マーケティング”とは

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こんにちは輸出用の中古車買取専門店「車両輸出代行センター」代表の山本です。

 先日、近所を歩いていた際に、マンションに駐車していたトラックに思わず目がとまり写真(アイキャッチに使用した写真です)を撮ってしまいました。

 その名も

ウンコちゃんの家具屋さん」です。

 

 僕自身、自営業者なので、日ごろから、町にある看板を見る癖があります。

しかし、この看板に関しては、全くそういう意識抜きで、思わず立ち止まってしまいました。

 

 この一見すると「なんだこのふざけた看板は!」・・・という看板に隠された、

驚くべきマーケティング手法を、勝手に解説していきたいと思います。

一見ふざけた看板に秘められた驚くべき真相

そもそもあなたは、街じゅうにあふれるカンバンに思わず目を止めてしまう事がありますか??

 看板は目立ってナンボです。

 

しかし、街じゅうに溢れているカンバンは、

もちろんどれも、なるべく目立つために考えられて作られているハズなのですが、

 

 そもそも人はカンバンに興味を持っていないので、視界に入っていても、認識されるには至りません。

 

しかし、今回僕は

このウンコちゃんのカンバンが視界に入るや否や、

 半強制的に立ち止まらざるを得ませんでした。

 

このカンバンを始めて見た人で、スルーできる人は少ないのではないでしょうか?

恐らく僕を含む大多数の普通の人は

なんだこのふざけたカンバンは!???

と、疑念を持たずにはいられないからです。

 

 実は、これがマーケティングでは王道の手法の一つである

「心理的ギャップ(すき間)を生じさせる」手法なのです。

 

立ち止まって考えざるを得ない「心理的ギャップ」とは?

では心理的ギャップとはなんでしょうか?今回の例で端的に説明します。

 

 普通のカンバンを想像してください。

ほとんどの人が創造する”普通のありきたりな”カンバンは

 「山本 家具」

 「吹田 自動車」

みたいな、社名が入っているカンバンを想像しますよね?

 

 社名って会社においては滅茶苦茶重要です。

なかなかふざけた名前は付けられません。だから、ほとんどの会社は

「創業者の名前」

「会社の所在地の地名」

に社名を入れます。

 

 なぜなら、そこでふざけてしまったら、入口の時点で、

「ふざけた会社」という印象を持たれて、信用を失ってしまうじゃないですか。

 

 だからついつい無難な、社長の名前とか、地名の看板ばかりになってしまいます。

 

そのようなカンバンがいかに目立つ色や、写真を使おうとも、

当たり前のものを見た人の心にはなにもギャップ(すき間)は生じません。

 

しかし、その会社の命ともいえる、社名に

「ウンコちゃん」

という、あまりにもふざけた名前が入ったらどうでしょう?

 

 本来、あるべきものとは、あまりにもかけ離れた

「ウンコちゃん」が堂々と居座っているのです。

 

 「は??なんだこれは????」

という疑念を持たずにはいられないでしょう。

これが心理的ギャップです。

 

人は、このような心理的ギャップを持つと、

そのギャップを埋めたくてたまらなくなるのです。

 

そして、そのギャップを埋めるために、何かしらの行動をせざるを取らざるを得ない状況に”自動的に”追い込まれてしまうのです。  

「ウンコちゃん」のカンバンを見た人が思わずとってしまう行動とは・・・??  

 

ウンコちゃんのカンバンを見てしまった僕の心には、完全なギャップが生じてしまいました。

「こんなふざけたカンバンで、真面目に仕事しているんだろうか??」

 

そして、ついつい、スマホを取り出して、

「ウンコちゃんの家具屋さん」

検索してしまいました。

 

 すると、ウンコちゃんの家具屋さんのホームページがちゃんと出てきました。

中々立派なホームページです。

 そして出るわ出るわメディアでの放映事例、「ほんわかテレビ」「となりの人間国宝」をはじめ、

各メディアに取り上げられまくり・・・

 

 そして、ついついホームページの中にあった「となりの人間国宝」のyoutube動画をクリックしてしまい、

その創業の秘話から、その真面目な仕事ぶり、店長の人柄まで全て見てしまったのです。

 

 これを見てしまった僕は、見終わった後、妙に「親近感」と「信頼」をこの会社に寄せてしまいました。

実はここにも、心理学的な仕掛けがあるのです。

 

 それが、「ゲインロス効果」という物なのです。

「ウンコちゃんの家具屋さん」に秘められたゲインロス効果とは?

ゲインロス効果とはいったい何でしょうか?

 「ゲインロス効果」とは、「最初にマイナスの印象を与えておいてから、そのあとでプラスの印象を与えたほうが、相手により大きな好印象を与えることができる」という心理的効果のことです。

参照元:「世界はココロで出来ている」http://www.shinrimarketing.com/shouhishinri/90/

 今回のケースでは、

ウンコちゃんという、一見ふざけたような印象から、実際の真面目な仕事ぶりに、

 

「なんてキッチリした仕事ぶりなんだ」

というより強い印象が生まれます。

 

 仮に、近所に「吹田 家具」という家具屋さんがあって、同じような仕事ぶりをしている姿を見ても、

何の印象も残らなかったでしょう。

 

 このゲインロス効果を

とても典型的な例でいいます・・・

 

 普段は粗暴で、悪さばっかりヤンキーの同級生がいたとします。

そのヤンキーが、電車で老人に席を譲っている姿を見たらどうでしょう??

 

 女の子に限らず、男子のハートまで、ズッキューンのわしづかみですよね。

 

心理的ギャップがもたらすもう一つの行動とは・・・

 ウンコちゃんのカンバンの心理的ギャップにより、僕は完全に感情を揺さぶられてしまいました。

 感情を揺さぶられるた私は、ついついもう一つの行動を取りたくて仕方ない衝動に駆られます。

 

それは「誰かに話したくなる」という行動でした。

 

 「ウンコちゃんの」のカンバンを写真にとった僕は、

家に帰って、すぐ妻にその写真を見せました。

 

 どうしても、僕以外の誰かの反応を見たくなったからです。

 

このように、一度、感情を揺さぶられた人間は、ついついそれを他人と共有したくなります。

 

 ひと昔前までだったら、共有の範囲は、家族で終わっていたかもしれませんが、

SNS時代の今では、そうは問屋が卸してくれませんね。

 

 普段から、SNSを積極的に活用している人ならわかると思いますが、

SNS好きな人は、ネタが欲しくてたまらない状態です。

 

 このようなネタがあれば、それを発信したくてたまらない状況になるのです。

僕もこの記事が書き終わったら、即座にSNSで発信します。

 

 なるべく多くの人に発信しないと気が済まないからです。

 

「ウンコちゃん」の家具屋さんにメディアの取材依頼が殺到しているのも、無理はありませんね。

 メディア側も普段から、ネタに飢えているのですから、このようなネタを放っておくわけがないですよね。

 

こうして、「ウンコちゃん」のカンバンは、一円の広告費もかけず、勝手に宣伝されるわけです。

 テレビの宣伝と言えば、CMですが、

莫大なお金を払って、CMを作っても、無理矢理に一方的に売り込みをかけるCMよりも、ウンコちゃんの家具屋さんのように、第三者の口コミによる宣伝は、同じ宣伝でも大変良質な宣伝となるのです。

 しかも、ゲインロス効果の働きもあり、鬼に金棒状態です。

 

僕の想像する限りにおいて、ウンコちゃんの家具屋さんは、

 「普通以上のサービスを提供する」

というあたり前の商売を続ければ、未来永劫集客に困る事はないと思います。

 

 そのネーミングセンスたるや、まさに”神”の戦略と言えるでしょう。